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怠惰で暴力的な街で普通に育つことが奇跡だ、って話

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これは本やアニメの紹介記事です!

<今日の雑談>

『ヒルビリー・エレジー:アメリカの繁栄から取り残された白人たち』という本を読みました。
読んでいる最中から、「今年読むノンフィクションの中で絶対にベスト3に入るだろう」と確信したほど、たくさんのページにブックマークしながら読みました。

 

少し前のブログ記事で『名誉と暴力』という本を紹介した時、この研究書で書かれている主張を裏付けるようなノンフィクションをいま読んでいると書きました。
それが『ヒルビリー・エレジー』です。


原書は2016年発行で、トランプ大統領誕生の背景をリアルに記述した本として注目を集めました。
ボクも日本語訳が出版された2022年からずっと読もうと思っていたのですが、1年以上手をつけないまま来てしまい、次の大統領選挙の大本命として再びトランプが注目され始めた今、やっと読みました。

期待以上に超おもしろかった!

 

タイトルや書評記事をチラ見していた当時、ボクはこの本を社会学的なルポルタージュだと思い込んでいたんですが、読んでみると自伝というか、回想録なんです。

しかも回想録を書くには早すぎるほど著者は若く(執筆当時31歳)、特に偉業を成し遂げた人物でもないんです。

でもこの回想録は、まるでバイオレンス・アクションを読むようなスリルがありながら、一級の史料的価値があり、読み始めたらずっと読んでしまうほどグイグイ来ます。

 

この本を政治的に読むのはつまらないとボクは思います。

アメリカ南部にある人口わずか6千人の、怠惰と暴力、あきらめきった狂気によって荒廃した街で奇跡的に起きた、「普通に育つ」ことの途方もない偶然を傍観者として知る本だと感じました。

 

祖母と母親について、そしてその二人をはぐくんだ街についてのたくさんのエピソードが書かれていますが、ボクは本書を読み終わった今でも、あのアメリカ合衆国にこんな街が実在することをリアリティを持って想像できません。

祖母は、私が生後9か月のとき、母が哺乳瓶にペプシを入れるのを目にしたという。

祖母は、「議論するぐらいなら撃ち殺したほうが手っ取り早い」と考える一族の出身だった

ミドルタウンのようなところでは、誰もが口々に、「一生懸命働く」ことの大切さを説く。30パーセントの若者が週に20時間以下しか働いていない地区に行っても、誰ひとりとして自分のことを怠け者だとは思っていないのだ。

キリスト教で描かれる堕ちた世界は、まさしく私の周囲の世界と一致していた。

法制度など信用しておらず、よほどのことがないかぎり、法に頼ろうなどとは考えてもいないようだった。

貧しい人たちはパジャマを着ない。私たちヒルビリーは、下着のまま寝るか、ジーンズをはいたまま寝る。

こんな世界で著者がなぜ「普通に育つ」ことができたのか、それはぜひ本書を読んでほしいと思います。決して単純な奇跡やおとぎ話ではありません。

生きてることが偶然の産物だと思ってしまいます。

そう思った後ようやく、次の大統領選はどうなるんだろうと気になり始めるでしょう。

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