（今日はノートレ日）
【今日のノート：人類を複数惑星にまたがる種にするぞー】
寝る前や移動中の電車，バスの中で，ダラダラと『イーロン・マスク』を読み続けています。
kindleにはブックマーク機能があるから，おもしろいと思ったエピソードや言葉，考え方などがあればブックマークするんだけど，この本には面白エピソードがたくさんあるからしょっちゅうブックマークしてます。
その中でもボクが特に強い印象を受けたのは，マスクの次のような発想でした。
スペースＸを立ち上げたのは，複数惑星にまたがる種とすることで人類の意識が生き続けられる可能性を高めるからだ
ボクはこの言葉を本で読んでいるからまだ冷静でいられますが，もしこんな発想を対面で大真面目に言われたら，どんな気分になるんだろうと思いました。
マスクはいろんな人にこれを言うんです。
スペースＸの社員はもちろん，ガールフレンドや妻や投資家や，インタビュアーに。
「ねえねえ，ボクは人類を複数惑星にまたがる種にしようと思うんだけどさー」
ピーポーピーポー。
普通はこういう展開じゃないですか？
でも，こんな突拍子もないことを普通に思いついて，思いつくだけじゃ物足りなくてほんとにロケットを作り始める人間が，世の中にはいるんだなー。世界は広いなーと思いました。
マスクは被虐待児ですよ（どーしょーもない親父で，養女として育てた女性を妊娠させて，マスクたち兄弟の頭を大噴火させたりしている）。
そしておそらく発達障害があって，人の気持ちが分からない（これは自分で言ってる）。
だからなのか，にもかかわらずなのか，ちょっとボクにはわからない。
どっちにしろボクは，自分が生まれてから今日まで，「人類を複数惑星にまたがる種にする」なんて発想はしたことがない。
普通なら「ボクは宇宙が好きだからロケットを作る会社に就職したい」とかじゃないでしょうか。
それですら「子どもの頃からの夢をかなえてすごいなー」になると思います。
こういう超スケールの大きいエピソードを読むと，不思議と元気が出る。
マスクが作った会社はどれを見ても全部ブラック企業だし，有能な社員はマスクがいやになって辞めていくし，方針はころころ変わるし，すべての会社の現場の技術に精通していてめちゃくちゃ細かいところまで文句をつけてくるし，「ゼッタイに無理だ」と全員が反対するような期限を押し付けてくるし，ありとあらゆる面で（たぶん給料をのぞけば）最悪なんだけど，なぜかやり遂げちゃうんです。
本の中に何度も「シュラバ」という言葉が出てくるんですが，マスクは修羅場を作り出してみんなに限界を越えさせちゃうなにかがあるみたい。
いろんなことに才がある人なんだと思うけど，マスクの一番の，そしてめったにお目にかかれない才能だと思ったのは，「人に限界を突破させる才能」なんじゃないかな。
自分の限界って，なかなか越えられないですよね？
そもそも限界がどのへんかを分かってる人が少ないんじゃないかと思います。
とりあえずボクは，ぐうたらだしへなちょこだから，いとも簡単にリミッターがかかっちゃうんです。すぐ怠けるし，すぐやめる。
もちろんボクがスペースＸに採用されるという奇跡が起こっても３０秒で解雇されると思うけど（実際マスクは人を判断するのが早い），気が狂うほどの切迫感をもって仕事をしたら，どれくらいの力が目覚めるんだろうと，そういう体験を現にしたマスクの部下たちをちょっぴりうらやましくも思いました。
そうやって仕事をするのがいいことだと全面的に肯定はしないけど，不可能だと思ったことをやり遂げたときの，社員たちの爆発するような歓喜のシーンを読むと，読んでるボクまで興奮するし，感動して，すげーと思っちゃうんですよねー。
というわけで，読むだけでアドレナリンが沸騰するような『イーロン・マスク』から，ボクの好きなエピソードのお話でした。おしまい。
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