(今日はノートレ日)
【今日のノート:戦う女子を奮い立たせてくれるsora的おすすめマンガ特集!(男の子にもお勧めだよ!)】
詳しくはないけれどジャンルとして好きなものがあって,そのひとつが女子格闘技または戦う女子を描いたマンガや映画です。
なぜって,超カッコいいんだもん!おまけに気分爽快。
でも作品があまりないんですよー。
というわけで,今日はsora的おすすめ「戦う女子を描いたマンガ」特集です!
「なーんか最近,気分が下がり気味なんだよねー」という方,これらを読んでスカッとしてください!
デイトレとは全然関係ないぞー!しゅっぱーつ!
(●·ω·)ノ————start————
『鉄風』(太田モアレ)
『鉄風』は,「なんでこんなタイトルにしたんだ?」というのが最後まで分からないという不思議な作品ですが*1,本格派女子格闘技マンガの代表作です。
運動の才能と体格に恵まれすぎているがゆえに,ライバルがいなくて退屈な毎日を送っていた女子高生が,学校で格技部の勧誘をしていた素朴だけでものすごく強い女の子を見つけ,その子を倒すためにいわゆるMMA(総合格闘技,Mixed Martial Arts)の世界に入っていくというストーリーです。
青春熱血ストーリーだと思うでしょ?ちがうんです。格闘技に魅入られて,狂気じみた闘争本能がぶつかり合う,本格派格闘技マンガなんです。
MMAってなに?という方にもおすすめです。
『ハコヅメー交番女子の逆襲ー』(泰三子)
コメディマンガですが,ボクの大好きな業界もの・専門職ものです。
作者の泰三子は元交番勤務の警察官なので,警察組織や交番勤務の日常のリアリティがすごくて,ボクは組織フィールドワークの名著だと思っています。
しかも笑えるエピソードがいっぱいなのですが,「これたぶん,似たようなことがホントにあったんだろうな」と思わせるほど日常の爆笑シーンが頻発します。
それにもかかわらず,組織フィールドワークの本領が発揮される話の時は,些細なトラブルにも背景には人の孤独や社会の闇があるということを,詳細に描いていて感心します。取り調べの心理戦が何度も出てきますが,これもとってもリアルです。
ドラマにもなったみたいですね。そちらは未見です。
それと,スピンオフの別冊として『ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 別章 アンボックス』も出ていますが,こちらはパートナーバイオレンスのまじめな話。DVによる死亡事件を防ぐのがいかに難しいかを主題に,物語が進みます。本編を読んでいなくても別冊だけでスムーズに読めます。
『バトゥーキ』(迫稔雄)
「カポエイラ」という格闘技があるのをご存じでしょうか。ブラジルに奴隷として連れてこられた黒人たちが,踊っているように見せかけて格闘術を練習するために生まれたという,興味深い歴史を持った格闘技です。
そのカポエイラはやがてカッコよく踊るスポーツの色彩を強めていくのですが,バトゥーキはカポエイラをより攻撃的に発展させた格闘術です。このバトゥーキを偶然知ったスケボー好きの女の子が,少しずつ技を磨きながら屈強な男性相手に戦って成長していく過程が,このマンガの見どころになっています。
「カポエイラ」でYoutubeの動画を探してみてください。ミシェル・ペレイラという格闘家のとんでもなく強い,だけど面白い動きをする試合を見ることができます。
GUNSLINGER GIRL(相田裕)
物語の構成が,「大人の男が不遇な少女を買い取って危険な仕事をさせ搾取している」と,フェミニストから批判もあったと聞いているマンガですが,ボクはすごく好きです。大人の男性が少女に殺人の技術を教え,一緒に命懸けの戦いをするというストーリーは,映画『レオン』と似ていますが,それ以上に,2人の関係(マンガの方では複数の2人組)がとても切ないものである点が似ています。
男性の方がこういう物語設定にあこがれるのかもしれませんが(夏目アラタの結婚でもそう分析されていた),よく練られたストーリーで,読後は「彼女たちは幸せだったのか?」と考えさせられます。
『オールラウンダー廻』(遠藤浩輝)
主人公は男子なのですが,MMAのジムに通う女の子たちが何人も出てきて,彼女たちの試合やトレーニングもたくさん描かれています。
格闘技ファン(特にMMA好き)には,本格MMAマンガとして評価が高いようです。
実際,試合での戦い方や細かい技術的な話も出てきて,格闘技マンガが好きな人には満足できる作品だと思います。
ボクはドラマチックで非現実的な格闘マンガも好きなのですが,こういう淡々と進んでいくマンガは珍しく,お気に入りの作品になりました。
『徳川の猿』(藤田かくじ)
こっちは歴史SFといった感じの完全に非現実世界の格闘マンガです。藤田かくじのマンガは次にも紹介しますが,格闘シーンがとにかく強烈。「人間にこんなことは絶対できない」と分かっているのに,戦う場面を見て「カッコいい!」と思ってしまいます。
藤田かくじって,ストーリーを考えるのがそんなに得意な人じゃないと思うけど,それでも何度も読み返しちゃうのは,やっぱり戦う女子の姿がとってもカッコいいからだと思います。
『放課後少女バウト』(藤田かくじ)
「バウト」は格闘技の試合,勝負という意味。これまたストーリーはめちゃくちゃで,女子高生が金網デスマッチの全国大会を目指すという訳の分からない物語なのですが,やっぱり格闘シーンのカッコよさで読んじゃう。
本格派の格闘技マンガとはいろんな点で違ってるんだけど,セコンドが選手にアドバイスをする場面なんかは唐突にリアリティが出てきて,妙に引き込まれてしまいます。
とにかく藤田かくじは荒唐無稽なストーリーで強引に話を作っていきますが,格闘シーンがいいから楽しめます。
人と共同制作にして作画を担当すればいいのになぁとも思うのですが,ご本人の世界観があるのでしょう。
おまけ(戦う女性の本と映画)
『子どもたちの階級闘争』(ブレイディみかこ)
いま売れに売れている作家のブレイディみかこさんですが,彼女は「タイトル買い」をさせる名手だと思っています。『子どもたちの階級闘争』なんてその典型例で,ボクはタイトルだけ見て中身をろくに調べもせず買っちゃいました。
でもそれが大当たり。たぶんこの本で世間から認知されたのだと思いますが,小説ではなく,元はブログ記事だったものを書き直したものです。著者が働いていたイギリスの無料託児所(所得の低いワーママが主に利用する)を舞台に,そこに預けられる子供たち,その母親,女性の職員たちとともに,著者が貧困と闘う日々をつづったノンフィクションです。
子どもの後姿を描いたエピソードには泣かされました。
『テルマ&ルイーズ』(監督リドリー・スコット)
『エイリアン』『ブレードランナー』『G・Iジェーン』『ブラック・レイン』など,有名な作品を多く監督しているリドリー・スコットが作ったロード・ムービーです。
(ちなみにロード・ムービーもボクの大好きなジャンルなんです)
退屈でパッとしない日常,高圧的な夫との関係に嫌気がさしていた親友二人(テルマとルイーズ)が,週末の小旅行に出ます(テルマは亭主関白な夫に旅行のことを言い出せず,手紙を残して出かけた)。旅の途中で起こった悲劇的なアクシデントで彼女たちは警察に追われることになります。
未来のない逃走に彼女たちは追い詰められ,劇の終わりにある決断を下します。
ラストシーンは賛否両論あったようですが,ボクはルイーズがアクセルをぐっと踏み込む瞬間に,胸がキューンとなったのでした。
警官役のハーヴェイ・カイテル,売れる前のブラピも超カッコよかったです。
というわけで,戦う女子を奮い立たせるマンガ特集でした!
これを書きながら,デイトレってちょっとMMAみたいかもと思ってしまった。
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*1:関係あるかわかりませんが,2001年に「鉄風鋭くなって」という曲を出したNUMBER GIRLというバンドがいたようです。辞書にはこの言葉は出てこないんですよね。作者の太田モアレがこのバンドを好きだったのかなぁ・・・。