<今日のトレード>
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【今日のノート:諸君,標準偏差とはこういうものだよ。】
えっへん!今日は諸君に,「標準偏差」とはどういうものかを教えて差し上げよう。
・・・あ,ちょっと待ってー!待ってー!他のページに行かないでよー。ちゃんとおもしろく書くからぁ。
さて,標準偏差またの名を「シグマ」,ギリシャ文字で「σ」と書く。
標準偏差は,投資の世界では重要な指標になってるから,知っておいて損はありません。「株式投資のリスクは標準偏差で客観的に把握できる」という人もいます。
投資をやっていない人も,平均値はみんな知ってるけど,標準偏差もセットで知れば,詐欺師に騙される確率が少し減るかもしれない。
(実際に数学者のポアンカレは,パン屋で買ったパンの重さを毎日計って,インチキパン屋を警察に訴えたんだそうな。ポアンカレひでぇー。)
統計とか確率と聞くとむずかしそうな印象ですが,世の中には「統計学が最強の学問である」とかいって,格闘技だと思ってる人もいるぐらいだから,ほどほどに知っておけば大丈夫。よくわからなくても気にすることはありません(よくわからないボクが説明するんだから)。
おっほん!
さて,標準偏差について話す前に,ひとつ大事なことを諸君に確認しておかなければなるまい。
諸君は「ベル型カーブ」というものを知っておるかね?
メジャーリーガーとして活躍したベル投手が得意としたカーブのことで…,などという虚言を信じてはいかんぞ(誰ですか,いま一瞬でも信じそうになったのは)。
「ヨギ・ベラ」は本当にメジャーリーガーだが,ベルはちがう。
ベル型カーブとは文字通り,カラーンカラーンと鳴る鐘のような形をした線のことだ。人の身長とか体重とかのデータをたくさん集めてグラフに書き込むと,平均値のところがベルのてっぺんに来るようなカーブを作れる。
これが「ベル型カーブ」,またの名を「正規分布」というのだ(下図参照)。
標準偏差は,ベル型カーブを描くようなデータに対して重要な情報を提供してくれる。
ここを覚えておかねばなりません。「ベル型カーブを描くようなデータに対して」です。
それを忘れて「2シグマを超えるデータが出現する確率は5%以下!」などと丸暗記をしていると,とんだ痛い目を見る(・・・見た)。
さて,標準偏差は平均値と,個々の変量をああして,こうすると計算できる。
重要なのは,データとして得られた数字を測るための道具なんだってことだ。
「得られた数字を測るための道具」なんてめずらしいでしょう?
ふつうは数字を得るために測りますよね。逆になってる。
「あの銘柄の株価が3シグマを超えた!」という表現のように,株価という数字が,上がったり下がったりして何日間かの平均を計算してみた時,今日の株価がその平均からどれくらい離れているかを測る道具が,標準偏差というわけです。
それを測るとどんないいことがあるかって?
それは聞いちゃダメ!・・・というのは半分冗談で,上の図にも書かれているように,±3シグマの範囲に99.7%の数字が収まるんだから,3シグマを超えた数字が出現する確率は0.3%,要するにとっても稀(まれ)だというふうに考えられています。
たとえば日本人の20歳男性の平均体重は57kg,標準偏差は8.8です。
ということは57+1シグマ(8.8)=65.8kg,ー1シグマ=48.2kgという範囲の中に20歳男性の68.2%が収まり,2シグマ(17.6)をプラス・マイナスした範囲(74.6kg~39.4kg)に95%の人が収まる。
3シグマなら26.4だから,83.4kg~30.6kgとなって,ほとんどの人はこの中に収まる。体重が30キロ以下の大学生の男の子なんてあまり見かけないでしょう?
(いないわけじゃない。大学の相撲部に行けばみんな3シグマを超えている)
こんなふうに,ベル型カーブに収まらない数字が出てきたら「めずらしい数字が出たぞー!」とみんなに知らせて,推奨銘柄になったりする。
問題は,そんな「とっても稀」な株価の銘柄が,毎日あるってこと。
昨日までの平均からするととっても稀なはずの株価を示す銘柄が毎日あるなんて,不思議じゃない?それって「稀」なの?
「株価はベル型カーブを描かない。だからテクニカル分析なんて役に立たない」という人もいるけど,ボクはそこまで言い切る自信はないなー。
どちらかというと,どんな状態でもそこからどうなるかはわからないと,用心してかかるのが大事なんだろうと思います。
1日のうちにストップ高からストップ安まで急変動するのがデイトレの世界。
そういうわけで,最後はやっぱりベルよりベラですね。
「終わるまでは終わってねえよ」
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