これは雑談記事です!
<今日の雑談>
もう何年も前の話になりますが、ボクが住んでいたマンションで、自閉症の子どものための教室を開いていた人がいました。
教室の主に直接会ったことはなかったのですが、定期的にボクと同じ階でエレベーターを降りる、ちょっと人見知りな感じの子が数人いたので、何かを勉強しに来ているんだろうなと思っていました。
その中に一人、ボクとしょっちゅうエレベーターで一緒になる子がいました。
自閉症の子は他人と視線を合わせることが苦手らしいのですが、その子はボクとエレベーターで一緒になると、エレベーターの一番奥までまっすぐ入っていき、壁に向かって顔をくっつけて、視野の中にボクが入ってこないよう、じっと耐えている印象でした。
なんだか気を使わせちゃって申し訳ないなと思いつつ、ボクはエレベーターでその子に会うたびに、「こんにちは」とだけ挨拶をして、操作パネルに向かって立ち(お互いが斜め後ろで背中合わせの格好になる)、目的階に着いたらボクが先に出るようにしていました。
そういうことが1年以上は続いたでしょうか。
ある日いつものように1階フロアからエレベーターに乗ろうとしたら、先にその子がいて、ボクが後から来た状態になりました。
ボクはずっとそうしてきたように、エレベーターに乗るときに「こんにちは」とあいさつをして、操作パネルに向かって立っていました。
目的階にもうすぐ着くというときに、背中に何かが触れたような気がしました。
「なんだろう?」と思って後ろを振り返ると、その子がかわいらしい右手でボクのシャツの背中の部分を軽くつまんでじっとしていたんです。
その子はただシャツをつまんでいるだけで、何も言いませんでした。
もちろんボクの方を見ることはありませんでした。
じっと自分の足元を見つめて、静かにシャツをつまんでいました。
ボクはそれを見て、何か温かいものが全身に流れ込んできたような気分になりました。
これはこの子が時間をかけて編み出した、この子なりのご挨拶なんだろうなと思いました。
とても短い時間に起こった、ホントにささやかなコミュニケーションでしたが、今までで一番感激したコミュニケーションでした。
あの子いまどうしているかなー。
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