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映画『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』:凡庸な悪のドキュメンタリー

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これは雑談記事です!

<今日の雑談>

今日の東京市場は500円超の上げで続伸かぁ。引けの1時間前からカバー(5253)を見てたけど、カバーは後場に2段下げて終わった。

 

雑談というのは憚られるんだけど・・・。

本でも映画でも、ドキュメンタリーや評伝が好きです。

その中でも特に印象深かった映画があって、それが『スペシャリスト』です。

 

ナチによるユダヤ人絶滅計画の運営・管理を任されていた親衛隊中佐アドルフ・アイヒマンが、戦後にエルサレムで裁判を受けた時のドキュメンタリーです。

ハンナ・アーレントが彼の裁判を傍聴して『イェルサレムのアイヒマン:悪の陳腐さについての報告』を書いて、「あのおっちゃんはごくフツーのおっちゃんだったんだよ。それこそがおっかねーのさ」と主張して大炎上したことは、映画『ハンナ・アーレント』で詳細に描かれています(アーレントがタバコを吸うシーンがかっこよかった)。

 

その裁判の映像を編集して制作された『スペシャリスト』は、アイヒマンのやけに甲高い声が観る者を脱力させます。

役所に行くと試験勉強が得意そうな甲高い声の人を見ることがありますが、裁判でのアイヒマンはまさにそんな感じの印象でした。

「私はユダヤ人に悪感情を持ったことがありません。友だちだっていたんです」と証言するアイヒマンは、仕事のミスを上司から叱られているときの小市民そのもの(ただし空気は読めない)という印象でした。

 

でも、600万人を移送し、工業的な手法で殺害するのは、そこらの小市民には難しい。そういう意味では「優秀な」官僚だったんだろうと思います。

東京の人口の半数近くを移動させるのがどれだけ大変な事業か、東日本大震災の時の帰宅困難者を思い出せば想像しやすいと思います。

 

笑えるほど妙に甲高い声の、落ち着きのない中年男。

おそらく知能が高くて、だけど自分が何をしているのかについては、絶望的に自覚のない官僚。

アーレントが恐怖を感じたのもわかる気がします。

ふと、イーロン・マスクが「AIが人類を滅ぼす可能性を否定できない」と、ヒステリックなほど言い続けていることを思い出します(それでOpenAIと喧嘩別れした)。

進化を続けるAIはアイヒマンより確実に優秀だから、600万人どころか10億人だって移送計画を立ててみせることでしょう。

ガス室より効率的な方法を、簡単に見つけるにちがいない。ガス室は原爆に負けたのだから。

 

『スペシャリスト』と『ハンナ・アーレント』、どちらもおすすめです。

ついでに関心がある人は、絶滅収容所から生還した詩人プリーモ・レーヴィの『アウシュヴィッツは終わらない:これが人間か』も超おすすめです。

それからくどいけど、収容所からの生還者ケルテース・イムレの『運命ではなく』は、自伝的小説で超々おすすめです!絶滅収容所にあったのは絶望ばかりではないっていう、ちょっと他にはない内容で、ボクはモーレツに感動しました。ノーベル文学賞を受賞したのもうなづけます。

 

 

ハンナ・アーレント(字幕版)

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