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＜今日の雑談＞
書きかけの記事を完成させて、お昼には投稿したいなと思っていたら、速報されたニュースに衝撃を受けました。
中東レバノン各地で17日午後、親イラン組織ヒズボラの工作員の携帯していたポケットベルがほぼ一斉に爆発した。当局によると、レバノン全土で約2800人が負傷、9人が死亡した。*1
多数の人が分散して所持してるポケベルを一斉に爆発させることなんてできるの？
サイバーセキュリティー企業の人が、現時点での情報に基づいて説明しています。
ハッカーが悪意のあるコードを含むページを使ってポケベル内部のバッテリーを爆発させることは可能だが、非常に難しいだろうと述べた。さらに、ハッカーはポケベルのメーカーと型名に関する情報が必要な上、その威力は、動画で捉えられた爆発ほど強力ではないとの見方を示した。
グラハム氏によると、メーカーが届け先に出荷したポケベルが輸送中に奪われ、悪意のあるコードと共に爆発物がポケベル内部に仕掛けられた可能性の方が高い。*2
ボクが当初書いていた記事は、ハマスがローテクな手段でイスラエルに対抗しているというニュースについてだったのです（ＷＳＪ日本版には掲載されていないようで、ボクはたまたま見つけてグーグル翻訳で読みました）。
ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワルは、刑務所で磨き上げられたローテク通信システムのおかげでイスラエルの情報収集網から守られていなければ、今日死んでいたかもしれない。
シンワル容疑者は、イスラエルが追跡でき、他の戦闘員の壊滅にもつながった電話やテキストメッセージなどの電子通信をほとんど避けてきた。その代わりに、密輸人、暗号、手書きのメモなどを使った複雑なシステムを使っており、地下トンネルに隠れながらもハマスの活動を指揮できると、アラブの停戦仲介者らは述べている。*3
要するにすごいローテクな通信手段でイスラエルの追跡から逃れているみたいです。
ベトナム戦争もそうだけど、戦力や兵器で圧倒的な差があっても、工夫次第で戦えるんだなと思いました（のんきな感想で申し訳ないです）。
この記事を読んだ後、たまたま『シチズンフォー スノーデンの暴露』というドキュメンタリーを見たんです。
アメリカの国家安全保障局（NSA）のPRISMと呼ばれる通信傍受システムの運用実態を暴露したエドワード・スノーデンが、二人のジャーナリストに協力を求めて一連の報道にこぎつけるまでを撮影したドキュメンタリー映画です。
スノーデンの事件をボクはあまり知らなくて、「いかれたハッカーが国家機密を盗み出した」くらいの低レベルな（というか誤った）理解だったのですが、この映画を見て印象が大きく変わりました。
映画では、スノーデンの賢さや、この暴露に当たって自分が背負うことになる危険への腹のくくり方が、とてもよく描かれていました。
自分の正体を公表してからの緊迫した時間の経過は、「これ、ボクだったら半日で血を吐いてる」と思うような、ものすごいプレッシャーだったことが感じられました。
この映画の中で、さっきのニュースに通じる場面があって、国家権力の不正を暴露して戦うなら、協力者とのやり取りに慎重になれという助言が出てくるのですが、それがシンワルのやり方と同じなんです。
ディープ・スロート方式を使え。ニクソン時代のだ。
地下の駐車場で会って受け渡しをしろ。
映画で見慣れた古いスパイのやり方ですね。
でも、スノーデンが話すNSAの諜報活動を聞いていると、電話もメールも、ネットにつながったあらゆる通信手段も、膨大な量の情報を記録されていることが分かります。
スノーデンは協力者とのやり取りの中で、「（NSAなら）パスワードの解読は毎秒１兆種類推測可能だ」と言っていて、彼の話を聞いてしまうと「あー、ボクのつまんないブログも「スノーデン」とか「ハマス」とか書いてると傍受されちゃうのかな」と思わすにいられません。
つまるところ、物理的な接触を通じてやり取りする以外に、通信傍受から逃れるすべはないということになるでしょうか。
ポケベルの爆発が誰によってどのように引き起こされたのか、現時点では不明ですが、イスラエルによるものだとしたら、イスラエルはハイテク＋「物の受け渡し」という方法で、ハマスのローテクに対抗したと考えられます。
スノーデンの行動の是非や、安全保障とプライバシーの関係について映画が主張することへの賛否はわかれると思いますし、ボクも明確な意見を持てないでいますが、ドキュメンタリー映画としては、間違いなく面白かったです。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したそうですが、納得です。
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